定期借地権マンションは売れない?売却のコツと残存期間・後悔しない手放し方【2026】

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定期借地権マンションの売却|底地と借地権のイラスト

定期借地権マンションは「売れない」と言われがちですが、正しくは“売りにくい”だけで、売り方しだいで手放せます。
このページでは、定期借地権マンションが売りにくい理由と、見分け方、満了したらどうなるか、毎月の費用と残り年数ごとの価値の目安、税金・相続・賃貸の注意点、後悔しない売却の進め方をまとめます。

目次

定期借地権マンションとは

定期借地権マンションは、土地を一定期間だけ借りて建てられたマンションです(一般定期借地権は50年以上が多い)。
区分所有者は建物を所有しますが、土地は所有せず借りている点が、通常の所有権マンションと大きく違います。

項目 定期借地権マンション 所有権マンション
土地 借りている(地代が必要) 所有する
期間 期間満了で原則、解体して更地返還 期限なし
分譲価格 割安になりやすい 相対的に高い
住宅ローン 取扱いが限られる場合あり 組みやすい
資産性 期間満了後は残らない 資産として残る

向き・不向き

  • 分譲価格が安く、土地の固定資産税がかからないのがメリット。
  • 一方で地代・解体準備金がかかり、期間満了で資産が残らない点に注意が必要です。

定期借地権マンションかどうかの見分け方

「うちは定期借地権?それとも普通の借地権?」があいまいなままだと、売り方も価格も決まりません。
次の書類で確かめられます。

確認する書類

  • 登記事項証明書(登記簿)…「敷地権の種類」が「賃借権」または「地上権」なら借地、「所有権」なら土地も所有しています。
    法務局の窓口のほか、オンラインでも請求できます。
  • 購入時の重要事項説明書・売買契約書…借地権の種類(定期借地権か)と存続期間・満了日が書かれています。
  • 借地契約書(公正証書)・管理規約…地代、解体準備金、譲渡の承諾の要否を確認します。

普通借地権との違い

  • 定期借地権…更新がなく、期間が来たら原則として更地で返します。
  • 普通借地権…更新があり、期間が来ても住み続けられるのが基本です。
    普通借地権の売り方は借地権・底地の売却で解説しています。

期間が満了したらどうなる?

満了したときの扱いは、借地権の種類で決まります。
定期借地権マンションの多くは一般定期借地権です。

種類 満了したら
一般定期借地権
50年以上・22条
建物を壊して更地で返す。
地主に建物を買い取ってもらう権利もない
建物譲渡特約付借地権
30年以上・24条
地主が建物を買い取る。
住人は求めれば借家人として住み続けられる
普通借地権
参考
更新が基本。
地主は正当な理由がないと断れない

マンションで実際に起きること

  • 満了の数年前から、管理組合が解体と明け渡しの準備を始め、住人は全員退去します。
  • 解体費用は、毎月積み立てる解体準備金から払います。
    足りなければ所有者の負担です。
  • 購入時に預けた保証金は、契約の条件にしたがって満了時に返されます。
  • 法律上の「更新」はできませんが、地主と合意すれば新しく契約し直すことはできます(応じてもらえる保証はありません)。

まだ満了した例はない

  • 定期借地権の制度は1992年に始まり、一般定期借地権は50年以上のため、初めての満了は早くても2040年代です。
  • 解体や退去がうまく進むかは、まだ誰も経験していません。
    これも買い手が慎重になる理由のひとつです。

「売れない」と言われる理由

売りにくくなる主な要因

  • 残存期間が短いほど価値が下がる…買い手が使える期間が短くなるため。
  • 住宅ローンが付きにくい…金融機関によっては「ローン期間が残存期間内」などの条件があり、取扱いが限られます。
  • 期間満了後の解体・更地返還への不安。
  • 仕組みを理解している買い手が限られる。

とはいえ、これは「売れない」のではなく「売りにくい」だけです。
残存期間があるうちに、売り方を工夫すれば十分に手放せます。

それでも売る方法・売りやすくするコツ

売却のコツ

  • 残存期間があるうちに早めに動く(時間が経つほど不利になります)。
  • 定期借地権に理解のある不動産会社・買い手を選ぶ。
  • 価格は所有権マンションより安めの相場に合わせる。
  • 現金購入層・投資家も視野に入れる。
  • 譲渡に地主(借地権設定者)の承諾が必要か契約書で確認する。
  • 一般の仲介で難しい場合は専門買取で現況・早期に手放す。

価格・相場の考え方

  • 価格は残存期間に応じて逓減します(期間が短いほど安い)。
  • 一般に所有権マンションより割安です。
  • 残存期間が十分にあれば、実需(住みたい人)でも売れることがあります。

新築時は所有権マンションより2〜3割安いのが目安

定期借地権マンションの価格は、同じような所有権マンションの7〜8割程度になることが多いとされています(日本住宅総合センターの調査をもとにした解説より)。
最近は人生100年時代に合わせて、借地期間を70年にする物件が増えています。

安く買える代わりに、毎月の費用は上乗せされる

毎月の費用 所有権 定期借地権
管理費・修繕積立金 かかる かかる
地代 なし かかる
解体準備金 なし かかる
土地の固定資産税 かかる かからない

地代は国土交通省の調査で平均月約1.4万円と紹介されています。
地代と解体準備金を合わせると月1万〜4万円ほどの幅があり、土地の税金が浮く分より大きくなりやすいです。
買い手から見ると、ローン返済に加えて毎月の上乗せがずっと続く物件です。
残り年数が減るほど上乗せを払ってまで買う理由が弱くなり、売りにくさにつながります。

残り年数で「土地を使う権利」の価値はどう減る?

土地を使える権利の価値は、残り年数が減るほど小さくなります。
相続税の評価(財産評価基本通達)でも、残り年数に応じた係数(複利年金現価率)で価値を減らす考え方がとられています。
同じ考え方で、70年契約の権利の価値が残り年数ごとにどれくらい残るかを試算しました。

残り年数 権利の価値の残り
設定時=100
60年 約90
50年 約78
40年 約65
35年 約59
30年 約51
20年 約36
10年 約19

試算の前提(推定)

  • 年1%の利率で、70年契約の残り年数ごとの複利年金現価率の比を計算した推定です(年1.5%でも差は数ポイント)。
  • 土地を使う権利の部分だけの目安で、建物の古さや立地、管理状態は含みません。
    実際の売却価格は、査定で確かめてください。

「残り35年前後」が分かれ目になりやすい理由

買い手の多くは住宅ローンを使います。
金融機関によっては返済を借地期間の満了までに終えることを条件にするため、残り年数が35年を切ると、35年ローンが組めない買い手が出てきます。
返済期間が短くなると月々の負担が増え、買い手が減って価格が下がりやすくなります。
不動産鑑定士の解説では、残り36年で周辺相場の約9割だった成約価格が、残り35年では約6割に下がった事例も紹介されています。

ここからわかること

  • 売るなら、残り35〜40年あるうちに動くと買い手を見つけやすい。
  • 残り年数が短い場合は、現金で買う人・投資家・専門の買取業者が主な相手になります。

注意

  • 金額は立地・残存期間・管理状態で大きく変わる目安です。
    正確な価格は複数の会社・買取業者の査定で確認してください。

売却の流れと確認ポイント

契約書で確認する点

  • 残存期間(あと何年借りられるか)
  • 地代・解体準備金の額
  • 保証金(預託金)の返還条件
  • 譲渡の承諾の要否・承諾料

流れは、①査定の依頼 → ②契約内容・残存期間の確認 → ③(必要に応じ)地主の承諾 → ④契約・決済、が一般的です。

売ったときの税金(譲渡所得)

定期借地権マンションを売って利益が出ると、譲渡所得として税金がかかります。
利益は「売った金額 −(買った金額から建物の減価償却を引いた取得費+売るための費用)」で計算します。

持っていた期間
売った年の1月1日時点
税率
所得税・復興税・住民税
5年超(長期) 20.315%
5年以下(短期) 39.63%

知っておきたい2つのポイント

  • 自宅なら3,000万円の特別控除が使える…国税庁は、家屋と一緒に売った借地権も対象としています。
    住まなくなった家でも、住まなくなってから3年目の年末までに売れば対象になります(別荘などは対象外)。
  • 地主に払う承諾料(名義書換料)は「売るための費用」…仲介手数料と同じく、利益から差し引けます。

実際は、残り年数が減って買った時より安く売ることも多く、その場合は税金がかかりません。
特例を使うには確定申告が必要です。
細かい判断は税務署や税理士に確認してください。

「買って後悔」への対処

「資産として残らない」「思ったより売りにくい」と、あとから気づくケースもあります。
後悔を最小限にするには、次の対処が現実的です。

  • 残存期間があるうちに早めに売却を判断する。
  • 住み替えまで時間があるなら賃貸として活用する。
  • 仲介で動かないなら専門買取で早期に現金化する。

放置して残存期間が減るほど不利になります。
迷っている段階でも、まず価格の目安を知っておくと判断しやすくなります。

相続したとき・賃貸に出すとき

相続した定期借地権マンション

  • 地主の承諾は不要…相続は売却(譲渡)ではないため、承諾料もかからないのが基本です。
  • 相続税の評価…建物は固定資産税評価額、土地を使う権利は残り年数が短いほど低く評価されます。
  • 相続登記は義務…2024年4月から、相続を知った日から3年以内の登記が必要です。
  • いらないときは…早めの売却か、相続を知ってから3か月以内の相続放棄を検討します(放棄すると他の財産も受け取れません)。

借地権を相続したときの手続きは借地権を相続したらでくわしく解説しています。

賃貸に出して持ち続ける場合

  • まず管理規約と借地契約を確認…部屋を貸すこと自体は多くの場合できますが、制限がないか確かめます。
  • 期間満了の前に入居者に出てもらう必要がある…期間が来ると建物は解体されるためです。
    借地借家法では、満了を知らなかった入居者に、裁判所が最長1年の猶予を与えることがあります。
  • 「定期建物賃貸借(定期借家)」で貸すと安全…更新のない契約なので、満了前に契約を終えやすくなります。

注意

  • 貸している間も残り年数は減り続けます。
    家賃収入と、あとで売るときの価格の下がり方を比べて判断しましょう。

専門買取という選択肢

定期借地権マンションは一般の仲介で敬遠されやすい物件です。
定期借地権に対応する専門の買取業者なら、現況のまま・短期間で手放せることがあります。
売り方や承諾の詳細は借地権・底地の売却もあわせてご覧ください。

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よくある質問

Q. 定期借地権マンションは本当に売れないの?
A. 売りにくいだけで売れます。
残存期間があるうちに、定期借地権に理解のある会社・買い手へ早めに動くのがコツです。
Q. 残存期間が短いと売れませんか?
A. 価格は下がりますが、現金購入層や投資家などで売れることがあります。
難しい場合は専門買取も選択肢です。
Q. 住宅ローンは使えますか?
A. 取扱いが限られます。
「ローン期間が残存期間内」などの条件が付くことがあり、対応する金融機関が少ない点に注意が必要です。
Q. 期間が満了したらどうなりますか?
A. 原則、建物を解体して土地を地主へ返します(更地返還)。
解体準備金の積立が必要な場合があります。
Q. 売るのに地主の承諾は必要ですか?
A. 契約により譲渡の承諾が必要な場合があります。
承諾料の有無とあわせて契約書を確認しましょう。
Q. 保証金(預託金)は戻りますか?
A. 契約の返還条件によります。
売却時の扱いを事前に確認してください。
Q. 定期借地権マンションかどうかは、どこで確認できますか?
A. 登記事項証明書の「敷地権の種類」(賃借権・地上権なら借地)と、購入時の重要事項説明書で確認できます。
重要事項説明書には、定期借地権かどうかと満了日が書かれています。
Q. 売るときに3,000万円の特別控除は使えますか?
A. 自宅として住んでいたマンションなら使えます。
国税庁は、家屋と一緒に売った借地権も対象としています。
使うには確定申告が必要です。

まとめ

ポイント

  • 定期借地権マンションは「売れない」のではなく「売りにくい」
  • 残存期間が短いほど不利。動くなら早めに
  • 住宅ローンが付きにくく、買い手が限られる点に配慮
  • 価格は所有権より割安。残り35〜40年あるうちが売りどき
  • 自宅なら3,000万円の特別控除も使える
  • 仲介で難しければ定期借地権に対応する専門買取へ

定期借地権マンションの売却|底地と借地権のイラスト

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